本日は第2部のラストにお送りする「ポカホンタス」よりについて取り上げます。
あらすじ
舞台は17世紀初頭のアメリカ。
主人公ポカホンタスは先住民族パウアタン族の娘。旺盛な好奇心と豊かな知性に恵まれた彼女は、イタズラ好きのアライグマのミーコとハチドリのフリットをお供に豊かな大自然の中を自由に駆け回っています。そんな彼女の前に現われたのはイギリス人探検家のジョン・スミス。新大陸征服の野望を抱く彼でしたが、ふたりは出会った瞬間から互いに思いを寄せ、生まれ育った環境や言葉の壁を超えて理解を深めていきます。しかし富を狙う探検隊と先住民族の対立は激しくなるばかりで、ふたりは争いをやめさせるために立ち上がるのでした。(公式HPより)
以下、ポカホンタスのラストまでの内容を踏まえた記事になります。
これを機にポカホンタスに興味を持ち、ネタバレを踏みたくない方は視聴なさってからお読みください(笑)
「ポカホンタス」よりは作中4つの曲より構成されています。
・Listen With Your Heart(心の耳で聞いてごらん)
・Savages
・Colors of the Wind
・Farewell
Listen With Your Heart(心の耳で聞いてごらん)
ジョン・スミスとの出会いのシーンから「ポカホンタス」よりの幕が開けます。
このシーンで流れるListen With Your Heartは映画の序盤、自分の進むべき道に悩むポカホンタスに自然の精霊たちの声を「心の耳で聞いてごらん」と柳の木のおばあさんが教えてくれた歌なのでした。
木管楽器のアンサンブルによってテーマが奏でられます。
余談ですが、この楽譜を渡されて上記〔Listen With Your Heart〕を「演奏上の指示」と勘違いして難しい顔をして吹いていた時期が暫くありましたね。ええ、個人的に。
Savages
savagesとは直訳すると「野蛮人」。
前曲とは打って変わり力強い金管楽器と打楽器によりイギリス人とインディアンたちの激しい対立が表現されます。
ここでは打楽器が多彩な音の演出をしていますので是非ご注目ください。
Colors of the Wind
(ディズニー公式youtube)
自然と調和した生活を送っていたポカホンタスが、開拓者ジョン・スミスに、自然の雄大さや共存していく方法を問いかけながら歌うバラード曲です。映画では、戦の前に歌われています。
本当の豊かさとは、本当に価値があるものとは何でしょう?「風の絵の具は何色?」と歌詞にもあるように、この編曲では様々な楽器が変わり変わり異なる音色でこの歌を奏でます。
そして曲は終盤へ。
Farewell
farewellとは直訳すると「別れ」
それぞれの地に残ることを決断した二人ですが、ポカホンタスが船を追って駆けるシーンはしっかりと音楽でも表現されています。
曲のラストでは再び「Colors of the Wind」のテーマを全員で奏でます。
当団の指揮者、小池先生が合奏中におっしゃっていたことを紹介させてください。
ここでは金管楽器と木管楽器がそれぞれ同じ旋律を奏でているのに金管楽器は男性的、木管楽器は女性的な歌い方をしています。これは、作品では別の地を選んだ二人を一緒に歌わせてあげることで、曲の上では同じ方向へ向かわせてあげていると私は解釈しています。
二人の決断と別れ、物語の終わりを全員で締めくくります。
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また長くなってしまいました
演奏会の最後にもってきたこの「ポカホンタス」より。
一団となって一つの物語をお送りいたします。
どうか最後までお楽しみください。